top of page

No.115 ここまで分かった軽症、中等症の新型コロナウィルス感染症―要点


2020年11月2日


 新型コロナウィルス感染症(Covid-19)は新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)により起こされる感染症です。

 中国、武漢や、クルーズ船の感染から始まった騒動は、世界中に拡散し、更に第2波が心配されています。他方で治療薬や予防ワクチンの開発も話題にはなっていますが、遅遅として解決の糸口は見えてきません。

 Covid-19 の大多数は軽症ないし中等症です。臨床医学として高いレベルの論文を多数掲載しているNew England Journal of Medicine は、軽症、中等症のCovid-19の臨床情報をまとめています[1]。いわば、新型コロナウィルス感染症の医療者向け総論ですが現段階での情報を整頓するには貴重です。

論文はかなり長いので2つに分けて説明します。

本稿は、論文全体の要約です。

論文中では、厳密に区別して記載しているように新型コロナウィルス感染症は、Covid-19,それを起こすウィルスの正式な名称は、SARS-Co-2を用いて記載します。



以下が本論文[1]の要旨です


・Covid-19には、咳、発熱、筋⾁痛、胃腸症状、嗅覚障害など、さまざまな症状がある。


・診断は、通常、鼻咽頭スワブまたは唾液を含む他の検体のPCR検査によるSARS-CoV-2RNAの検出により確定する。


抗原検査は一般にPCR検査より感度が低いが、より安価であり、迅速な結果でケアの現場で使用することができる。


・治療と管理は、病気の重症度によって異なる。軽度の病気の患者は米国では通常、自宅で回復するが、中等度の病気の患者は注意深い監視が必要で入院が必要。


・レムデシビルとデキサメタゾンは、重症のCovid-19の入院患者で効果を示しているが、中等度の患者では、デキサメタゾンは効果的ではない(有害である可能性がある)。

また、レムデシビルの日常的な使用を推奨または反対するにはデータが不十分である。


・感染管理の取り組みは、医療従事者向けの個人用保護具、社会的距離、および検査に重点を置いている。



図説明:ステージに基づいたCovid-19の特徴、診断と治療


 米国CDCによればSARS-Co-2の診断のための検査は、最近、症状や徴候が感染した人の判別か、あるいは無症状であるが濃厚接触者である可能性が高い場合に実施する。

 また、SARS-CoV-2のスクリーニング目的は、感染しているが無症状である場合の個体の判別、あるいは最近、知らないうちに感染が判明したか、あるいは濃厚接触者の場合に実施する。スクリーニングテストは、感染した可能性がある人を同定し、さらに感染が拡散を防ぐことを目的とする。



出典:RT Gandhi et al. N Engl J Med 2020;383:1757-1766.より一部改変



参考文献:


1.Gandhi,RT. et al. Mild or moderate Covid-19. N Engl J Med 2020; 383: 1757-66. DOI: 10.1056/NEJMcp2009249


※無断転載禁止

閲覧数:42,431回

最新記事

すべて表示

No.285 新型コロナウィルス感染症後にみられる間質性肺炎とは?

2023年10月3日 新型コロナウィルスによる肺の感染症で入院治療が必要となる重症呼吸窮迫症候群(ARDS)となった患者数は全世界で約6億人と言われています。 重症のウィルス感染がきっかけで間質性肺炎を起こすことは、HIV、サイトメガロウィルス、Epstein-Barrウィルス感染症でも知られています。 新型コロナウィルス感染後に、脳の霧(brain fog)といわれる状態や、息切れ、胸痛、動悸な

bottom of page