3 時間前No.251 重症喘息でみられる気管支の痰づまり2022年5月20日 喘息が重症化すると気管支の中に痰が充満した状態になり、空気の取り込みができなくなることがあります。19世紀、内科学の祖と言われたウィリアム・オスラー卿 (1849-1919年)は、喘息患者ではゼラチンのような痰が出る、と記載しています。しかし、重症の喘...
4月25日No.250 喘息に似通っている誘導性喉頭閉塞とは?2022年4月25日 鼻や口から吸いこんだ空気は、喉を通り過ぎ、左右に分かれた気管支を経て肺胞に至り酸素を取り込み、二酸化炭素を外に排出するガス交換が行われます。 食べ物を送りこむ食道と気管支が分かれている部分に繋がる喉頭は体のなかでも一番、細くなっており、複雑な神経支配で...
4月20日No.249 室内汚染による呼吸器疾患の悪化をどのように防ぐか?2022年4月20日 世界の人口の90%以上が、WHO(世界保健機構)が定める大気汚染の安全限界を超える地域に住んでいると云われます。2019年度の世界疾病負荷の調査によると大気汚染により毎年、670万人の死亡者が出ています[1]。大気汚染の結果、呼吸器疾患の中ではCOPD...
4月19日No.248 種類の多い間質性肺炎をどのように区別するか?2022年4月19日 間質性肺炎には、原因、発症の仕方、経過などから多くの種類に分けられています。この分類により新しい薬の治験が実施されてきたという経緯があります。狭い範囲でも確実に効果があるという証拠があれば、次第にすそ野を広げていけるきっかけとなり重要です。...
4月4日No.247 慢性腎臓病と睡眠時無呼吸症候群の関わり2022年4月4日 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、いびきをかく、熟睡できない、昼間にも眠気が強い、居眠り運転の原因となる、など歴史的には社会的な視点からの問題点が指摘されてきました。しかし、近年、高血圧、脳卒中など心血管の疾患や糖尿病など多種の内臓疾患の発症、悪化要...
3月28日No246 関節リウマチに多い喘息とCOPD2022年3月28日 喘息も関節リウマチも日常の診療では頻度の高い疾患として知られています。関節リウマチ(RA)は全人口の1%を占めると云われます。 日常の診療で、喘息、COPDの患者さんにRAの症状が見られる人が時々、診られます。...
3月18日No.245 COPDの治療で大切な気分の落ち込みの評価と予防 2022年3月18日 教科書的には、COPDの症状は、階段の上りや重い荷物を持って歩くときに強い息切れがでること、咳や痰が出ること、と記載してあります。しかし、実際に診るCOPDの患者さんの多くでは、その程度や組み合わせは様々で症状だけからでは診断が難しいことを経験していま...
3月14日No.244 増加している間質性肺炎2022年3月14日 肺は、触った感じは綿菓子のようだと表現されることがあります。実際にヒトの肺組織を手で触れた経験によれば、綿菓子よりはしっかりしているがスポンジよりは柔らかい気がします。肺組織は、柔らかいだけでなく張りがあるので呼吸ごとに拡張―収縮を繰り返すことができま...
3月10日NO.243 妊娠中の新型コロナウィルス感染症の注意点2022年3月10日 新型コロナウィルス感染症(Covid-19)の流行は、すでに長期間に及んでいます。妊娠あるいは授乳中の方でワクチン接種を迷っている方もいると思われます。最近の米国医師会雑誌、JAMAに妊婦および出産後の授乳期における、ワクチン接種の考え方についての論文...
3月7日No.242 睡眠時無呼吸症候群には肺がんの合併が多い2022年3月7日 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、成人だけではなく小児期にすら認められる頻度が高い複雑な病気です。 どのように起るのかは、いまだに不明の点が少なくありません。例えば、最新の文献をまとめて解説している医学記事[1]ではOSAを以下のように説明しています...