

No.318 最重症の呼吸器疾患―急性呼吸窮迫症候群で見えてきた治療法
2025年8月6日 急性呼吸窮迫症候群( A dult r espiratory d istress s yndrome)(ARDS)は、重度の呼吸器障害であり、肺だけでなく全身にわたる臓器障害を伴い、最重症に分類される病気です。交通事故などで重傷の外傷を負った際に、肺に...
8月6日
No.302 気管支拡張症―多くの症例から明らかにされた治療の問題点
2025年3月31日 気管支拡張症は、重い症状を伴う場合には治療の難しい病気の一つです。 肺結核による気管支拡張症 により、あふれ出るような多量の痰と、さらに結核菌による脊椎カリエスによる疼痛に苦しみながら、34歳の若さで亡くなった正岡子規(1867-1902年)の最晩年...
3月31日


No.300 アトピー性皮膚炎、大気汚染、ピーナッツ・アレルギー:複雑な因果関係
2025年3月26日 中年や60歳を過ぎた方で、喘息があり、しかも首筋の皮膚が赤くなった アトピー性皮膚炎(AD) の方をときどき、診ることがあります。ほとんどが子供の頃から、と言います。...
3月26日


No.298 肺がん検診を他の病気の早期発見に生かす
2025年3月19日 わが国の死因の第1位は悪性腫瘍であり、肺がんがその第1位を占めています。早期発見のためには、原因を除くことを目的とした 一次予防 として禁煙運動(たばこコントロール)、さらに、早期発見、早期治療を目的とした 二次予防...
3月19日
No.295 激しい気候変動が呼吸器疾患をもつ高齢者を直撃する
2025年3月5日 兼好法師(1283年~1352年ごろ)は、冬の寒冷には耐えられても猛暑の夏は耐え難いので住まいの建築は夏を考えて作りなさい、と述べています(徒然草55段)。当時でも家屋構造から日本の夏の暑さは苦になるほどでした。現在、地球全体の平均表面温度は産業革命前...
3月5日


No.294 つば九郎の死:診断の難しい肺高血圧症
2025年2月25日 東京ヤクルトスワローズの公式マスコット、「つば九郎」こと、足立 歩氏(52歳)が沖縄キャンプから移動中の空港で2月4日、急死したとの報道がありました。読売新聞の「編集手帳」には、重たい着ぐるみで役を演じきった氏の訃報に泣いた、とマスコットに徹したプロ...
2月25日
No.283 世界肺デー(World Lung Day)の米国胸部学会からの呼びかけ
2023年9月25日 9月25日は、世界肺デー(World Lung Day)です。米国胸部学会は、国際的な連帯を呼び掛けています。 今年のスローガンは「すべての人のための予防と治療へのアクセスです。誰も置き去りにしないでください」です。...
2023年9月26日
No.276 高度の肥満は呼吸器疾患を悪化させる
2023年5月8日 肥満者が多い欧米では、肥満は糖尿病や心血管疾患を起こす原因と知られています。他方で肥満は呼吸疾患とも深く関わっていることが多くの研究成果から明らかになっています。 わが国でも近年、肥満が医療上の問題点となってきています。「肥満」と「肥満症」、さらに「メタ...
2023年5月8日


No.275 誤嚥性肺炎とはどのような病気か?
2023年3月20日 肺炎は抗生物質が発達した現在でも治療が難しいことがしばしばあります。 ウィリアム・オスラー(1849~1919年)は、カナダ、米国、英国で活躍し、近代内科学の祖といわれていますが主著である「Principles and Practice of...
2023年3月20日
No.273 呼吸器合胞体ウィルス(RSV)による感染症とは何か?
2023年3月7日 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、世界中を大混乱に陥れた急性呼吸器感染症ですが呼吸器感染症は肺結核、インフルエンザなどを含め多種が知られています。 感染する頻度はきわめて高いのに一般にはあまり知られていないのが呼吸器合胞体ウィルス(RSV)...
2023年3月7日
No.272 過敏性肺炎とは何か
2023年3月6日 呼吸は外界の空気を肺に吸い込むことにより酸素を取り込み、二酸化炭素を外に吐き出す生命維持の基本となる生理機能です。繊細な構造をもつ肺は、ときにはその人だけがもつ外因性の異物の吸入によりアレルギー性の機序で重症で治りにくい肺炎を起こすことがあります。...
2023年3月6日
No.268 乳幼児と高齢者に感染者が多いRSウィルス感染症とは?
2022年11月21日 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)がパンデミックとなり、感染症情報は新型コロナが中心となっています。カゼの多い冬季を迎え、インフルエンザとコロナの混合感染が心配されています。しかし、冬季に多くなる呼吸器感染症を起こすウィルスは他にもたくさん...
2022年11月21日


No.76 パルスオキシメーターの有用性と注意点
2020年6月18日 パルスオキシメーターの発明は、青柳卓雄先生によるものです。救急救命や在宅医療などで広く使われており、その恩恵は図り知れないものがあります(コラムNo.68参照)。 パルスオキシメーターは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による重篤な肺障害で...
2020年6月18日
No.35 カゼとはどのような病気か
2020年2月7日 カゼは先進国の急性疾患の中ではもっとも頻度の高い疾患として知られています。大人は平均年間2-3回、カゼを引くといわれています。 カゼ(common cold)には明確な定義はありませんが、軽症でウィルス感染による上気道の炎症をさすものと考えられていま...
2020年2月10日