No.27 喘息死の問題


2020年12月28日


喘息患者は全世界で約3億人と推定されています。

年々増え続けており2025年ごろには約4億人に達すると予測されています。

毎年、約25万人が喘息で死亡しています。


わが国では喘息の患者さんは、小児を含めて約800万人と推定されており、そのうち5-10%は治療が難しい重症の喘息と言われます。この数字を参考にすると東京都の重症喘息の総数は4万人から8万人以上と推定されます。

喘息の治療で怖いのは経過中に治療が間に合わず、死に至る「喘息死」があることです。


1970年代には毎年7000人近くの喘息死がありましたが、吸入ステロイド薬など治療薬が進み、他方で患者さんへの細かな医療技術の進歩があり、2000年以降はさらに減少してきています (図1)。



注意して頂きたいことは、重症喘息が不幸な喘息死に至るのではなく、軽症や中等症で喘息死となった患者さんが全体の1/3を占めていることです(図2)。




近年、喘息死にはさらに特徴があります。2017年の統計では喘息死は約1,700人、この比率を東京都に当てはめると約185人になります。しかも、高齢者に集中しています(図3)。



この傾向は毎年、見られていますが、特に高齢女性が男性の2倍以上となっていることが注目されます。高齢女性では独居となっていることも多くみられ、治療の上では特有の事情があります。私たちは、治療方針を立てる際にこれらの背景があることに留意しながら診療を行っています。




参考文献:

Nakazawa T. et al.: Allergol Int. 53: 205-209, 2004


※無断転載禁止



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