top of page
アンカー 1

当院の取り組み

軽症から最重症のCOPD

COPDの方は全国で700万人以上といわれています。
当クリニックでは軽症から最重症までのすべてのCOPDの診療に力を入れています。


1.   COPDについてどのような病気/経過なのか
2.   完全な禁煙の重要性
3.   それぞれの薬の効果と正しい使い方
4.   適切で安全な運動
5.   栄養管理の方法
6.   増悪の予防と増悪時の対処法

以上、6項目をベースに、それぞれの患者さんの病状や状況にあった情報提供を行いながら、治療と療養支援を行う「包括的呼吸ケア」を実践しています。

運動能力の評価として、院内に検査専用に設けている廊下にて6分間歩行試験を実施し、どのくらい歩ける体力があるか、運動中の酸素量の低下がないか、また、息切れはどの程度かを確認し、治療へ反映させています。

病気の進行や新たな併存症の有無を評価するため、定期的に肺機能検査胸部高分解能CT(HRCT)と、心臓超音波検査、栄養指標などを評価し、その上で病状に合わせた適切な治療方針を決めています。

栄養指導は管理栄養士が個別に指導します。

 

合併症の多いCOPD

COPDは合併症が多い病気であり、軽症であっても心血管系の病気の合併が多いことが知られています。
このほか、脂質異常症、骨粗しょう症、骨格筋機能低下、悪性腫瘍などが合併することが多いため、当クリニックではこれらの多様な合併症についても必要な検査と治療をあわせて実施しています。

合併症で頻度の高いものは、高血圧症、心臓病(狭心症、心筋梗塞、不整脈)、脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、閉塞性動脈硬化症、骨粗しょう症、睡眠時無呼吸症候群などです。

 

難治性喘息

喘息にはアレルギー性、非アレルギー性、ある種の薬剤の副作用で起こる場合など、多様性があることが知られています。

主に吸入薬を中心とした治療に必要に応じて内服薬を併用して治療を行います。一部の患者さんは、発作を繰り返して重症となることがあります。

病気の経過や種々の検査を通して喘息の重症度を判定し、適切な治療を行うことが必要です。

当クリニックでは、重症の喘息患者さんの場合、注射による抗体薬治療(抗IgE抗体 、抗IL-4抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5受容体α抗体、抗IL-4/IL-13抗体、抗TSLP抗体)も積極的に実施しています。内服ステロイド薬の連用が必要な方、従来の治療薬のみでは発作がコントロールできない方は、投与対象となります。

 

​間質性肺炎

間質性肺炎は、肺が次第に硬くなって(線維化といいます)広がりにくくなり、呼吸が徐々に苦しくなる難治性の病気です。
この中には、膠原病に合併して起こる場合や漢方薬や抗がん剤などの薬剤、鳥の飼育や加湿器使用などでのカビの吸入などの生活環境因子、粉塵吸入などの職業関連因子が原因となる場合もあるほか、はっきりした原因が不明な特発性間質性肺炎と呼ばれるものなど、多くのタイプが含まれます。

それらのうち、特発性肺線維症と診断される病型の場合は、抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)の投与にも取り組んでいます。また、特発性肺線維症以外の病型でも慢性的に線維化が進行していく間質性肺炎では、抗線維化薬(ニンテダニブのみ)を治療薬として使用することが保険で承認されているため、病気の進行をできるだけ防ぐために治療に取り組んでいます。

 

慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法

当院では在宅酸素療法の導入は外来通院時に実施します。操作手順を覚えることが難しい場合もあるため、時間をかけて繰り返し外来で指導します。

在宅酸素療法の開始にあたっては、病気の現状と酸素投与の必要性について説明し、使用方法や酸素を使いながらの療養生活の仕方についても理解していただくように指導しています。さらに、その後の通院の中でも、定期的に使用法や療養生活について繰り返し確認や説明を行います。

在宅酸素療法を行っている慢性呼吸不全の患者さんでは、適度な運動を継続的に行って体力・筋力維持を図ることも重要なため、呼吸リハビリテーションを連携している医療機関(墨田区 中村病院、豊島区 要町病院)に紹介し、連携を図りながら双方で継続的に指導しています。

慢性呼吸不全の中でも体内の二酸化炭素量が上昇しているII型呼吸不全では、在宅酸素療法に加えて在宅人工呼吸療法(NPPV)を併用することで症状の軽減や生活活動性の向上などの効果が上がることがあり、必要に応じて入院または外来にて導入しています。

睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法

初めに簡易検査を行い、無呼吸低呼吸指数AHI(睡眠1時間あたりの無呼吸ないし低呼吸の回数)が40以上の場合は簡易検査の結果のみで診断確定とし、CPAP療法を導入します。
また、簡易検査でAHI 40未満で睡眠中の無呼吸・低呼吸が多くみられる場合は、連携病院で精密検査PSGを実施し、その結果AHI≧20の中等症以上と診断された場合、CPAP療法を導入しています。
AHI<20の場合は口腔内装置(マウスピース)による治療の対象となるため、連携歯科ないし患者さんのかかりつけ歯科に紹介し、マウスピース作製を依頼しています。

当クリニックではCPAPを特定の機器メーカーのみに絞るのではなく複数の機器メーカーと提携しており、患者さんが治療をきちんと継続していけるように、最適な機器やマスクなどを医師、看護師、CPAP療法士が選定してご案内し、継続的な指導を行っています。

 

合併症のある睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、単に昼間の眠気が問題となる病気ではありません。
睡眠中に度々酸素不足となる状態を繰り返すことで、心不全を悪化させたり心房細動などの不整脈を誘発する原因となったり、また、動脈硬化や狭心症・心筋梗塞など重大な病気を招くことにも繋がります。多くの患者さんがいる、糖尿病や高血圧などに隠れていることもしばしばあります。

COPDや喘息に睡眠時無呼吸症候群の合併が多いことも知られており、他の呼吸器疾患で受診した患者さんで睡眠時無呼吸症候群の併存が疑われる場合には、併せて睡眠検査も行っています。

当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の毎月の診療を、簡単な指導と管理で終始せず、このような睡眠時無呼吸症候群における合併症の診断と治療にも目を向けて診療しています。

 

bottom of page