診療内容
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
● 特徴
慢性気管支炎、肺気腫は2001年より国際的にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれるようになりました。
慢性の咳、たん、息切れが主な症状です。最初は症状が軽いのですが、数年かけてゆっくりと悪化していきます。
時にカゼなどをきっかけに急激に悪化することもあります。
タバコを一定期間吸ったことのある40歳以上の方に発生しやすいと言われ、世界中で問題となっている「タバコ病」の代表です。
禁煙しても病気は進むと云われます。
現在、タバコを吸っていなくても、後から症状が出てくることもあり、該当する症状がある時には精密検査が必要です。
近年はタバコ以外にも子供の頃に呼吸器の大病をした方の中にも同様の状態になる人がいることが判明しました。
● 診断
COPDではタバコなどの有害物質が原因で肺に長期間にわたる炎症を起こすため、肺内の空気の流れが悪くなる病気です。
(この現象を気流制限といいます)
気流制限があるかどうかがCOPDの診断の上で重要です。
COPDに気管支喘息が合併することもしばしばあり、治療が複雑になります。
● 検査
スパイロメトリーと呼ばれる肺機能検査を行い、気流制限の程度を調べて診断します。
また、肺内の壊れ具合(いわゆる肺気腫)の有無を知るため胸部CT検査などの画像検査も有用です。
当院では、胸部CTを3D変換し、分かりやすい画像を提供しています。
呼吸状態が悪化すると運動能力も低下してくるため、どのくらい運動ができる能力があるのかを調べるため6分間歩行試験を行います。
病気が進むと体重も落ちて筋肉量が減ってくるため、体組成検査にて定期的に筋肉量を計測します。
● 治療
禁煙とワクチン接種(インフルエンザ、肺炎球菌など)は、すべての患者さんについて重要です。
重症度に応じて、気管支拡張薬やステロイドなどを主に吸入薬として投与します。
患者さんが適切に吸入薬が使え、治療効果を十分に発揮できるよう、繰り返し看護師が指導しています。
体調の維持のためには在宅酸素療法や運動療法、栄養療法なども重要で、全治療をまとめて「包括的呼吸リハビリテーション」と呼びます。
当クリニックはCOPDを抱える患者さん自身に、ご自分の病気を理解し、将来を快適に過ごすための手段を覚えていただくため、積極的な指導体制に力を入れています。