No.344 肺と心臓の病気に関わるタバコ問題
2026年2月12日 呼吸器科医はタバコを天敵と考えているのだろう、昔、同僚の医師にからかわれたことがあります。彼の専門は、糖尿病でしたが彼自身が、ヘビー・スモーカーでした。当時の副院長は循環器内科が専門であり、タバコ嫌いで通っていました。「君が吸うのは、分かって吸うのだからしようがない。しかし、吸った煙は吐き出すな、他人に迷惑だ」と怒りをぶちまけたことを思い出します。 厚生労働省は、2000年から、健康増進を図るための国民運動「健康日本21(二十一世紀における国民健康づくり運動)」を進めています。健康で長生きする「健康寿命の延伸を図る」が目的です。健康課題に対して目標数値を定め、計画的に生活習慣の改善などを目指しています。その内訳は、「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・こころの健康づくり」「歯の健康」「たばこ」「アルコール」「糖尿病」「循環器病」「がん」の9分野です。この運動は、2024年度より「健康日本21(第三次)」の活動に引き継がれています。 COPDと心血管疾患は高頻度で併存する ことが知られており、両疾患が併存することで
No.343 簡単な血液検査でCOPDの診断ができるか?
2026年2月4日 欧米では肺結核の治療方針が一段落した1950年代半ばから、呼吸器疾患の次の大きな課題はCOPDの早期診断と適切な治療に移りました。この時期にいわば暫定病名として提案されたCOPDの診断名が認知されてから70年以上になります。現在でも使われていますが、肺気腫、慢性気管支炎を統合した名称です。わが国では、慢性閉塞性肺疾患と呼ばれていますが、患者さんに病気を分かりやすく説明するのに苦労する病名の一つです。 COPDの治療の目標は、日々、苦しめている症状と将来、さらに問題を起こすだろう、という問題を区別して解決策を立てること、さらに急に悪化する 増悪 がないように気配りを継続することが必要です。説明をさらに難しくしているのは 併存症 と呼ばれている病気の種類の多さです。 現在、 COPDの併存症 として報告されている疾患は以下の通りです。 肺がん、心血管病変、睡眠呼吸障害、糖尿病、腎機能障害、骨粗鬆症、胃食道逆流症、鬱病や不安障害。さらに認知症などが挙げられています。 通常、実施されるような検診でCOPDの早期病変が指摘される
No.342 COPDで寝たきりにならないための工夫
2026年1月30日 喘息とは異なり、COPDは中高年に多い慢性疾患であることは世界に共通しています。しかし、発症年齢の比較では、米国では50歳代の半ばから多くなりますが、わが国では60歳半ば頃から多くなり、 高齢者層に多い病気 となっています。従って、COPDに特徴的な症状は、高齢者に多い他の慢性疾患と共通する問題点と重なり合ってくることになります。 COPDは、わが国では、咳、痰の症状が強い 慢性気管支炎型 よりも階段を昇る時が苦しい、というような 肺気腫型 が多くみられます。後者は、日常の生活で買い物や散歩などわずかな運動で息切れが起こり、患者さんの日常の活動性をしだいに低下させていき、日常生活を次第に不自由にしていく、やっかいな状態です。 加えてCOPDの治療で問題となるのが併存症、すなわちCOPDの悪化と並び、経過中に加わってくる 高齢者に共通する呼吸器以外の慢性の病気 です。 COPDの治療経過では次の3つのパターンが危険視 されています。これらは、いずれもCOPDの重症度には必ずしも関係しない形で起こることが知られています。.
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