No.361 間質性肺炎を悪化させる要因、逆流性食道炎
2026年6月23日 肺という臓器は、外から触ると、病変がない健康な状態では押せばへこむがすぐに元に戻る弾力性に富んだ臓器です。また、肺は綿菓子のようだ、と表現されることがありますが綿菓子と違うのは元に戻ろうとする弾力性があるからです。 病気が起こると弾力性が変化します。簡単にいえば、膨らみ過ぎが肺気腫や高齢者の肺であり、逆に、縮こまりやすく、膨らみにくくなるのが間質性肺炎です。肺気腫も間質性肺炎も繊細な肺胞の立体構造が破壊される病気です。肺気腫では肺胞は薄くなり、壊れ、やぶれた状態が多くなりますが、間質性肺炎では、厚くなり、伸びが悪くなります。いずれの状態も酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するという肺の働きを大きく低下させます。呼吸をするためにエネルギーを過剰に使うことになり体力を消耗し、呼吸は苦しくなり、活動度も低下させます。 間質性肺炎では肺胞の壁に線維成分(コラーゲン、エラスチン、多糖体など)が無秩序な状態で溜まるのが問題です。「びまん性肺疾患」と呼ばれることもあります。弥漫(びまん)あるいは瀰漫(びまん)という意味は「一面に広がる
No.360 肺の老化とは何か
2026年6月16日 老化の予防、改善する薬や若返りの方法が、世の中に溢れています。欧米の医学雑誌にも新しい科学情報がたくさん見られます。Ageingという、言葉がキーワードの一つです。 Ageingという言葉は、手もとの辞書(リーダーズ英和辞典)では「年をとること、加齢、老化、経年変化、時間効果」とあります。老化研究の先進国、英国の辞書(オックスフォード現代英英辞典)では、Ageingを「the process of growing old」と表現し、変化の過程を重視しているようです。こちらの方が本来の意味を反映しています。 Ageingは多くの動植物に共通ともいえる生命現象であり、病気の発症と関係し、病気になり易くする、すなわち「感受性の増加に伴う進行的かつ広く予測可能な変化を特徴とする」ことです。老化は均質なプロセスではありません。同じ人でも臓器どうしが異なる割合で老化し、遺伝的構成、生活習慣、環境曝露など複数の要因に影響されます。例えば、細胞の変異は加齢とともに幹細胞内に蓄積しますが、臓器によって異なります。エピジェネティックなデオキ
No.359 腸内の細菌叢が間質性肺炎の悪化に影響する
2026年6月12日 あらためて言うまでもなく、身体の構造は全臓器がそれぞれにつながりを持ち働いています。つながりの仕方には強弱はあります。つながりを表現する「臓器相関機能」という便利な言葉があります。例えば、COPDには胃潰瘍が多いことは古くから知られています。喫煙習慣は両者を悪化させますが二臓器の相互に関連して病気が発症します。心臓と肺の関係では、心臓の機能が低下し、心不全になると肺はうっ血状態となり、呼吸が苦しくなり、痰が増えます。他方、重い肺炎では、同様に呼吸が苦しくなり、痰が増えますが、軽度であった心不全を一気に悪化させることがあることはしばしば経験します。遡って、連鎖を断ち切り、適切に治療し、予防するには、「臓器相関機能」を知っておく必要があります。特に高齢者の治療では臓器相関機能を重視した治療方針が大切です。 病気が起こる機序は臓器別には、研究が進んできましたが、臓器相関機能の解明という点ではうまく説明がつかない身体現象は多くみられます。AIは期待される手段ですが、複雑な機器を開発、導入しても一人の人間の生命維持の不思議さを
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