2020年7月14日No.85 間質性肺炎とCOPDの類似性を明らかにしたトピックス2020年7月14日 昔、私たちが習った呼吸器病学では、肺の病気は、気道に始まる病気と肺胞に始まる病気に大別していました。前者には、喘息やCOPD (慢性閉塞性肺疾患;肺気腫、慢性気管支炎)があります。後者には、間質性肺炎と呼ばれる病気があります。間質性肺炎は、肺胞が広い範...
2020年7月10日No.84 無症状の新型コロナウィルス感染症の問題点2020年7月10日 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の典型的な症状は、発熱、咳、息切れ、筋肉痛、鼻汁、咽頭痛、味覚異常、嗅覚異常であると報告されています。 ウィルス感染による重症度は、年齢、職歴、持病としての慢性疾患の有無と種類、免疫能の低下、感染者との接触歴...
2020年7月7日No.83 大気汚染が間質性肺炎を発症、悪化させる2020年7月7日 間質性肺疾患(ILD)は、複雑な機序により左右の肺に広範囲に陰影が出現し、悪化すると次第に肺組織が硬く、縮小していく疾患です。 ILDの分類は、複雑です(コラムNo.81参照)。原因が特定できない間質性肺炎は特発性間質性肺炎(IIP)と呼ばれています。...
2020年7月6日No.82 広がる新型コロナウィルス感染症:くしゃみと咳の科学2020年7月6日 1919年から1920年にかけて米国ではインフルエンザが大流行しパンデミックとなりました。「咳とくしゃみが広げる病気」が当時、予防のスローガンでした。今から100年前のできごとです。 1回の咳は、約3,000個、くしゃみでは約4万個の微粒子が空気中に放出...
2020年7月1日No.81 間質性肺炎の研究はどのように進歩したか2020年7月1日 間質性肺炎は複雑な病気です。医師にとっても短時間で患者さんに分かりやすく説明するのは難しい、といつも感じます。近年、明らかに患者数が増えてきていること、正確に診断する方法がかなり確立してきたこと、その結果、複雑に再分類されることになったこと、などが問題で...
2020年6月30日No.80 災害の後に発生するカビで起こる呼吸器の病気2020年6月30日 梅雨のころにはカビが生えやすくなり、カビを吸うことにより急性、慢性の呼吸器の病気を起こすことがあります。 米国では、ハリケーン、竜巻、水害など大災害のあと、絨毯や家具の表面にカビが生え、それを吸い込むような喘息やアレルギー性の呼吸器疾患や、慢性の呼吸器...
2020年6月29日No.79 過敏性肺炎とは何か2020年6月29日 過敏性肺炎(HP)は、発熱や咳などカゼによく似た症状で始まり、急性では、半日もたたないうちに症状が急速に悪化していく厄介な病気です。胸部レントゲン写真では両側の肺に肺炎を疑わせる影が出現してきます。このような経過は、新型コロナウィルス感染症によく似た点...
2020年6月22日No.78 睡眠時無呼吸症候群を伴うCOPDは心血管病変を起こしやすい2020年6月22日 COPD (慢性閉塞性肺疾患;肺気腫、慢性気管支炎)と睡眠時無呼吸症候群(OSA)はそれぞれ、40歳以上では人口の約10%に相当すると云われています。COPDとOSAの両者が合併した状態は、重複症候群(Overlap...
2020年6月22日No.77 重症の喘息では胸部CTで観察される気道の数が減少する2020年6月22日 肺の中では気管支が分かれていきますが、それは樹木が空に向かって枝分れを続ける様子に似ています。 気管が左右の肺に分かれた後、各気管支は、二つに分かれながら次第に細くなっていきます。その総数はn回分岐すれば2のn乗個になり、それとともに断面積も加速度的に...
2020年6月18日No.76 パルスオキシメーターの有用性と注意点2020年6月18日 パルスオキシメーターの発明は、青柳卓雄先生によるものです。救急救命や在宅医療などで広く使われており、その恩恵は図り知れないものがあります(コラムNo.68参照)。 パルスオキシメーターは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による重篤な肺障害で...